注文住宅を検討し始めたときに、誰しもが最初に気になるのが「お金」の話だと思います。
でも注文住宅に関するお金の情報って範囲が広すぎて「何から始めたら良いかわからない」という方も多いはず。
また「まだまだ家を建てるのは先だけど情報収集だけしている」という方も多いと思います。
そんな方のために、将来家を建てる予定があるなら最低限知っておいて頂きたい「家づくりのお金の話」をできるだけシンプルにまとめました。
細かな部分はまだ分からなくても大丈夫なので、大枠だけでも理解していただければ具体的に検討するときに役に立つはずです。
Contents
住宅ローンの審査が通る状態を作る

住宅ローンは収入だけでなく様々な条件をもとにして審査が行われます。
そのため支払能力があっても思わぬ理由で、借りられる金額が減額されたり最悪の場合は審査が通らなかったりすることもあるのです。
ここではザックリと住宅ローンの審査を通すために避けるべき選択を紹介します。
まずは早めに住宅ローンの審査が通りやすい状況を作りましょう。
車のローンを完済する
車のローンなど他の借入があると住宅ローンを組める金額が大きく下がります。
例えば残り半年の月々2万円の車のローンがあったとしても、住宅ローンの審査では35年間ずっと月々2万円を支払う扱いとして計算されてしまいます。
(=毎月の収入がずっと―2万円 → 年収―24万円 → 35年で―840万円 という評価に)
そのため車のローン残高は24万円なのに840万円借りているのと変わらない判定になってしまうのです。
(厳密には違いまずがイメージとして)
住宅を購入する予定がある場合は数年先の予定だとしても計画的に車の買い替えをしてくださいね。
スマホの分割払いもローンの一部
細かい話だとスマホの分割払いも車のローンと同じく住宅ローンの審査内容に影響します。
車ほど大きな返済額ではないですが住宅ローンの借入額が減るので事前完済する準備をしておきましょう。
リボ払いも同じくローンの一部
リボ払いも同じくローンの一部です。
月々の支払額がそのまま住宅ローンを借入できる金額に影響してきます。
借金を返済する
消費者金融などでお金を借りている場合は早急に返しましょう。
住宅ローンは銀行に信用されることが必要です。
そもそも借金をしないと生活ができない場合に家を購入することを考えてはいけないですよ!
まずは借金の完済に集中しましょう。
ローンやカードの支払いは期日までにきっちり行う
支払の延滞が多いとそもそも住宅ローンが組めません。
小さな支払もできないと判断されたら大きな融資である住宅ローンは通らないのです。
ちなみに借入だけでなく税金や年金などの未払いも同じように評価されてしまうので気をつけましょう。
転職後から3年は審査が通りにくい
転職後3年間は勤続しないと住宅ローンの審査は通らないというのが基本的な考え方です。
勤続3年未満でも借りられるケースは多いですが、住宅ローンを借りる予定があるのなら転職は計画的に行うべきです。
特に異業種への転職や経営規模の小さな会社への転職をする場合は審査がより厳しくなるので可能な限り家を買う3年以上前か買った後に転職をしましょう。
自営の方は収入と経費のバランスを見直す
自営業の方の場合は税金対策として経費を増やし収入を減らしていることが多いすよね。
でもその結果として支払能力はあるのに収入が低くて住宅ローンが希望額まで借りられないということもあります。
それなら一時的に収入を増やせば良いという話になりますが、住宅ローンで必要なのは3期分の確定申告。
自分に必要な住宅ローンの融資額から必要な年収を計算し、税金の増加額などを考慮して最適な経費と収入のバランスを見つけましょう。
一時的にでも共働きの状況を作る
支払い能力があるのに住宅ローンが希望額で通らない場合に、もしも夫婦のどちらかが専業主婦(夫)ならば一時的にでも共働きの状態を作るで解決できる場合があります。
勤続が3年未満でもパート契約でも収入として合算してくれる銀行があるので、子育てなど他の都合の許す範囲で共働きで収入を得ておくことは効果的です。
ただし辞めることが前提なら、本当に夫婦どちらかの収入だけで住宅ローンが返済できるかはしっかりと検討しましょう。
家計を見直して支出を抑える
例え住宅ローンが満額で通ったとしても、実際に支払ができなければ意味がありません。
また持ち家は修繕やリフォームなど家を管理する費用を自分で貯めておく必要があります。
それに住宅を購入する場合、頭金や家具家電の購入、引っ越し費用など現金が必要なシーンも多いです。
家を建てる予定があるのなら少しでも早くから「無駄な支出を減らす」ことと「少しでも貯金をする」ことを意識しましょう。
日々の支出を記録する
自分の月々の収入は知っていても支出を知らない人は多いのではないでしょうか?
住宅ローンの返済に月々いくら使えるかを知るためにも、まずは現在の生活で月々いくら使っているかを把握しましょう。
今はスマホの家計簿アプリも優秀なので慣れれば手間もかかりません。
家計簿が続かない方もレシートを貯めるのではなく、お金を使ったらすぐスマホを取り出して入力という癖をつければ続け易いと思いますよ。
一生続けられるような小さな節約を積み重ねる
家計の支出が把握できたら、グラフなどにしてじっくり分析してみましょう。
とは言ってもそんなに難しい話ではなく、「外食が多くて食費が高すぎるな」とか「飲み会などの交際費が高すぎるな」とかその程度からで大丈夫です。
まずは月数千円からでも良いのでも「どの部門をいくら減らすか」と「そのためにはどうすればいいか」を決めて節約をしてみましょう。
ポイントは見栄を張って無理な節約をしないことです。
少額でもいいから「一生続けられる」くらいの内容の節約を積み重ねましょう。
どうせ続かない節約を短期間やるよりも、細かな節約を積み重ねたほうが長い目で見ると効果的です。
家づくりの予算は年収ベースではわからないことを知る

支出を抑えることをお勧めしたのは、実際の支払い能力は収入よりも支出の影響の方が大きいからです。
世の中には年収1000万円あっても貯金がほぼない人もいれば年収300万円くらいでも毎年100万円近く貯金をできている人もいます。
これは極端な例ですが、例えば子供がいない家庭と子供が3人いる家庭では支出に大きな違いがあるのは明らかですよね。
将来どんな生活をするかで家づくりに使える予算は決まります。
また年収はローンが「いくらまで組めるか」の指標にはなりますが、予算の参考にはなりません。
インターネット上には「年収別の平均予算」が良く載っていますが参考程度に見るだけにしましょう。
何千万円もする買い物を「平均値」なんてあいまいなものを基準にするのはリスクが大きすぎます。
自分の家計やライフプランをもとに正しく計算する必要があるのです。
それに最初に予算を間違えると、そのあとのすべての行動が無駄になってしまいます。
どれだけ良い土地や家が見つかっても最後に予算が合わなければ意味がないですからね。
それに住宅購入後にローンの返済ができないなんてことになったら最悪です。
- 自分の月々の支出を知り
- 節約をして支払能力を伸ばし
- 将来のライフプランを設計する
まずはこの3つから始めましょう。
少し面倒かもしれませんが数年後に家を建てる予定だとしても、早くやればやるほど後で楽になります。
最終的にはお金のプロに相談するのが一番
ここまで読んでみて「なんか大変そうだなー」と思った方が多いのではないでしょうか?
正直、それが普通だと思います。
住宅ローンのためにライフプランを設計するということは自分のこれから先35年の収支状況を計画するということです。
普通の人が自分たちだけでやれるものではありません。
だからこそ一度はお金のプロに相談してみることも必要です。
お金に関する人生計画をすることを「ファイナンシャル・プランニング(FP)」と言うのですが、無料で相談に乗ってくれるところもあります。
家づくりをするのがまだ数年先の予定でも、今からプロの意見をもとに「ベストなタイミング」と「貯金の目標」を設定すれば、いざ本格的に動くときのスピードが全然変わります。
数年待った後に動き出したら、結局住宅ローンを借りれなかったなんてことになったら馬鹿らしいですよね。
少しでも早く準備を始めましょう。
手間は掛かりますが、必ず将来家を買う際に「事前に準備をしておいて良かった!」と思うはずですよ。
FP相談の仕方や注意点についてはこちらの記事をご覧ください。
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