「タウンライフ家づくり」という資料請求系のサイトがあるのをご存知ですか?
無料で複数のハウスメーカー・工務店から「間取り図や見積もり、土地情報」が貰えるというサービスです。
とても魅力的なサービスにも見えますが、便利過ぎて逆に怪しくも見えますよね。
「本当に無料?なにか裏があるのでは…?」と思う方も多いはず。
そこで住宅メーカーで働いている私がプロの視点から「タウンライフ家づくり」について徹底的に調査をしてみました。
- サービス内容と仕組みを分析
- 口コミや評判からメリット・デメリットを調査
- 実際に体験して評価
意見が偏らないように、自分の体験談と他の人のリアルな口コミの両方について紹介していきます。
特に体験談の部分では私が実際に試した際の結果をかなり詳しく書いていますよ。

Contents
最初に結論を少しだけ書いておきます
私が実際に申し込みをした結果としては、6社中4社から間取り図と見積書が届きました。
ダメだった2社のうち、1社はカタログを送ってきただけ、もう1社は何も連絡なしという結果です。
少しだけ工夫した点があって、「設計士が間取りを書けるだけの情報を伝えてあげる」ということには意識しました。
このあたりの具体的な方法についても、この記事で順番に説明させていただきます。
少しは手間はかかりますが、しっかり準備して利用すれば良いサービスだと思いますよ。
ちなみに後でお金を請求されたり、しつこい営業をされたりなんてことはありませんでした。
それではまずは「タウンライフ家づくり」の仕組みから順番に説明してきます。
なぜ無料なの?まずは簡単に仕組みを紹介
間取り図や見積もりって本来は直接ハウスメーカーや工務店に行って何度か打ち合わせをした上でもらうものです。
しかしそれをインターネットから申し込むだけで貰えてしまうのが「タウンライフ家づくり」というサービス。
しかも無料で複数の住宅メーカーからもらえます。
ここまで便利だと逆に「上手い話しには裏があるのでは?」と思ってしまいますよね。
そこでまずは無料で家づくりの資料がもらえる仕組みについて紹介します。
基本的にはハウスメーカー・工務店からもらう紹介料で運営している
公式サイトによると「タウンライフ家づくり」はハウスメーカー・工務店から紹介料をもらって運営しています。

「タウンライフ家づくり」が「家づくりを検討している人」を集めて、その紹介料としてハウスメーカー・工務店が報酬を支払う形ですね。
私の経験からすると1件あたり1~3万円くらいの報酬が発生しているのではないかと思います。
しかもそれが単価なので、私の場合のように6社に依頼をしたとしたらタウンライフには6倍の報酬が入ることになるはずです。
1人の顧客からこれだけの報酬が発生するなら無料で運営できるのにも納得できますよね。
一般的な感覚からすると高額な紹介料ですが、他社の資料請求系のサービスも同じような価格帯なんですよ。
こんな話を聞くと損した気持ちになるかもしれませんね。
でもこれってジュース1本150円の中にテレビCMに使う何千万円もの広告費の1部が入っているのと同じ理論。
むしろこういった広告費が購入代金に含まれるのはどこのメーカーでも同じなので、こういうサービスを有効活用しないと損と言えるかもしれません。
変に考え込んでしまうと逆に損してしまうかもしれませんね。
間取り図や見積もりを前提にしたサービスはハウスメーカー・工務店にもメリットがある
無料で運営できる仕組みがわかったとはいえ、手間のかかる間取り図や見積もりを簡単に出してしまうことには疑問を感じますよね。
でもハウスメーカー・工務店にもしっかりとメリットがあるんです。
間取り図を作るために要望や条件を入力してもらうので濃い顧客情報が手に入ります。
いやらしい話ですが、予算が合わない顧客は手を抜いて、美味しい顧客に全力を注げるということですね。
営業をしていく上でとても効率的ということです。
ただこれはモデルハウスや店舗に呼びやすくなるくらいの話。
例えば「お客様の要望にもあった〇〇と△△が見れるモデルハウスがあるんです。一度ご見学されませんか?」みたいな感じですね。
注文住宅は高額商品なので「この情報を利用して上手くダマして契約を取ろう」というレベルの話ではないのでご安心ください。

運営会社のダーウィンシステムは安心?
サービスの仕組みに問題がなくても、運営会社が怪しいところだったら利用できないですよね。
そこで続いては運営会社について調べた内容を紹介させていただきます。
「タウンライフ家づくり」の公式サイトによると運営しているのは「ダーウィンシステム株式会社」という会社。
ホームページを見てみると広告会社のようです。
怪しい点はないかとホームページを隅々まで見てみましたが特に問題はありません。
- ちゃんと実在する住所に事務所を構えていることを写真で確認(架空会社ではない)
- 従業員数79名、売上高9億8千万円というしっかりとした基盤
- 2019年度は新卒採用を実施している
※すべて2018年6月の情報です。
ちなみに怪しいリフォーム会社などは微妙に実在と違う住所を使っていることが多いです。
会社名も実在する会社と同じにしていたりしますね。
ダーウィンシステム株式会社の場合はそういったことはありませんでした。
これだけの情報ではサービスの質まではわかりませんが、詐欺商売をする会社の規模ではないのは間違いないです。
また大手転職サイトに社員の口コミが載っていたのですが、それを見る限りはむしろホワイト企業かもしれません。
WEB制作会社にありがちな、納品して終わりではなくサイトの成長や会社への貢献度がリアルタイムで数字に表われる点が非常にやりがいです。
また、WEBデザイン以外にも企画立案や、サイト運営に携われるのでデザイン以外の経験や知識が積める点もやりがいの一つです。
(30代/男性/現社員)引用:カイシャの評判
自分のスケジュール管理能力次第。
定時内に終わらせられるよう業務時間に集中して仕事を行えば、定時ぴったりで帰ることも可能。個人個人がさっぱりとしているため、残業を推奨するような雰囲気は一切ない。
急ぎの案件やクライアントからの電話が入った際は残業になることもあるが、それでも20時ごろまでには皆帰っている印象。
(20代/女性/現社員)引用:カイシャの評判
社員の方が書いているので良い事が書いてあるのは当然なのですが、他の会社の口コミと比べても雰囲気のよさそうな会社だと伝わってきます。

続いては実際に「タウンライフ家づくり」を利用した方の口コミも見てみましょう。
口コミからわかった注意点とトラブル事例

「タウンライフ家づくり」が本当に便利なサービスか調べるために口コミや評判についても分析していきます。
はじめに伝えておきますが・・・口コミは不評が多いです。
ただ匿名掲示板みたいなところにしか評判がなかったので、もともと悪い意見が集まりやすい場所だからかもしれません。
そもそもよく読んでみると実際に試していないのに予想で批判だけ書いている人も居ます。
でも内容をじっくり読んでみると一定の法則が見えてきたので順番に紹介していきます。
そもそも不評の原因は2側面で考えられる
まず最初に気がついたのは口コミの不評や不満は、主にハウスメーカーや工務店の対応に問題が原因になっていました。
利用者としては「タウンライフ家づくり」に対して申し込みをしている認識ですが、実際に対応しているのは住宅メーカーなんですよね。
「タウンライフ家づくり」はあくまでも利用者と住宅メーカーを繋ぐ仲介役です。
そのため問題点は以下の2側面で考えるとわかりやすいです。
- タウンライフ家づくりが原因の問題
- ハウスメーカー・工務店が原因の問題
例えばフリマアプリの「メルカリ」は「売りたい人」と「買いたい人」をつなげるサービスですよね?
「メルカリ」で不良品が届いたら基本的には悪いのは「売りたい人=出品者」であるはず。
すべての出品者と取引を運営会社が管理するのは不可能ですからね。
同じように「タウンライフ家づくり」も「家を売りたい人(=住宅メーカー)」と「家を買いたい人(=利用者)」をつなげるサービスだと思うとわかりやすいです。
不評や不満の原因は「タウンライフ家作り」と「ハウスメーカー・工務店」のどちらにあるかに注意すると問題点も明確にわかってくると思います。
もちろん、あまりにも対応の悪いハウスメーカーが多ければ、タウンライフにも改善する責任はありますが。
口コミから見えてきた問題と解決策
それでは実際に口コミを見ていきましょう。
批判的な口コミや評判を見ていると以下の3点が主な問題のようです。
- メールや電話でしつこく営業される
- カタログだけで間取り図や見積もりはもらえなかった
- そもそも連絡すらこない
順番に詳しく見ていきましょう。
1.メールや電話でしつこく営業される
これに関してはちゃんと対策できます。
まず他の業界も含めた営業職の全般に言えることですが「電話に出るまで(メールに返事があるまで)何度も連絡しないといけない」というような習慣があります。
また「断られるまでは諦めるな」という指示を上司から受けている場合もあります。
そんな理由もあって一度も連絡を返さないと時間帯を変えて延々と連絡がきますし、断らないといつまでも連絡してくるんです。
そのため対応策としては以下の3つの方法を試してみてください。
- 最初から希望連絡時間帯や方法を伝えておく
- 迷惑だと感じたら勇気をだして断る
- 最終的には着信拒否と受信拒否
まずは一番最初に「電話は平日の18時~20時の時間帯だけ」、「電話はでられないのでメールで連絡ください」などと伝えましょう。
これで9割のトラブルはなくなると思います。
もしもこのレベルの話すら守れないような会社はすぐに候補から外しましょう。
また、断るときは「必要があればこちらから連絡するので連絡を控えていただけますか」というような内容をハッキリ伝えてください。
あいまいな断り方だと営業も「まだチャンスはある!」と勘違いしてしまいます。
意外と断ることって体力使うし難しいですよね。
でも家づくりの検討が具体的になれば、もっと重いシチュエーションでどこか1社を断るシーンもあるはずなので、練習だと思って強い意志で断るのもいいかもしれません。
それでもどうしようもない場合は最終手段として着信拒否と受信拒否をしましょう。
なぜなら住宅メーカーの対応の良し悪しがメールよりも分かりやすいから。
悪質なメーカーを見極める練習だと思って電話にでてみると絶対勉強になりますよ。
2.カタログだけで間取り図や見積もりはもらえなかった
これは大問題ですよね。
なんのために「タウンライフ家づくり」を利用したのかわからなくなってしまいます。
ただこれは非常に参考になる口コミがありました。
”私はタウンライフ家作りからコンタクトをとってきた工務店と契約し、まもなく竣工です。
利用して良かったです。
ポイントは備考欄に山ほど要望を書いたことです。
それでもやれる、と思ったハウスメーカー、工務店しかアポを取ってこなかったので
ふるいにかけられた感じですね引用:e戸建て
注目すべきは「ポイントは(依頼するときの)備考欄に山ほど要望を書いたこと」という内容です。
実は「タウンライフ家づくり」の申し込みページってかなりシンプルなんですよね。

この画像がその申し込みページなのですが必須事項だけではどんな家が希望か伝えられません。
そのため、住宅メーカーからすると要望が少なすぎて「間取りを作りたくても要望がわからなくて作れない」という状況が生まれるということですね。
その結果として「まずは要望を聞くためにモデルハウスに来てください」っていう対応をされてしまうわけです。
実際にこんな口コミもありました。
”タウンライフ家づくりで資料請求した者です。
8社請求して、間取りや資金計画、土地情報が届いた会社は0社。
届いたのは会社のカタログと、いつ来てくれますかーというしつこい連絡のみ。
これならゆっくりと8社の展示場をまわれば良かった…
同時に8社の相手をするのは疲れます。
タウンライフ家づくりの責任者!
私の個人情報を返して!と怒りしかありません。引用:e戸建て
おそらくこの方は備考欄を使わないで依頼してしまったのではないかなと思います。
そこで思うのが「なぜもっと詳しく要望を書ける申し込みページにしないんだ!」という気持ちですよね。
でもこれには理由があったりします。
WEB関係の専門知識のような話なのですが「申し込みページは可能な限りシンプルにすべき」というセオリーがあるんです。
なぜなら書く内容が多いと途中で諦めて申し込みをしない人が増えてしまうからです。
それこそ家づくりの要望なんて複雑すぎて大半の人が途中で諦めてしまう。
このサービスを成り立たせるには、これくらいの記入欄の数が限界ということです。
そうは言っても「タウンライフ家づくり」の形が100%の正解というわけではないですけどね。
辛口に言うなら運営貴社のアナウンスが足りない部分ではありますし、改善すべき点だと思います。
でもインターネットから間取りと見積もりがもらえるサービスは「タウンライフ家づくり」だけです。
これくらいのことなら我慢して賢く利用すればいいのかな。というのが私の考え方です。
間取りや見積もりをもらうための賢い頼み方については後ほど詳しく紹介させていただきます。
3.そもそも連絡すらこない
これは完全にいい加減な会社です。
どんなに有名なハウスメーカーだとしても、ちゃんとした対応もできないようなら家づくりでも必ず問題が起きます。
迷わず検討のリストから消しましょう。
ちなみに私が申し込んだ中で1社だけ連絡がないところがありましたが、いい加減なことで有名なハウスメーカーでした。
タウンライフを安全にトラブルなく利用するためのコツ
ここからは「タウンライフ家作り」を賢く安全に利用するためのコツをまとめていきます。
大切なのは主に以下の5つです。
- 要望をたくさん書いて「間取りが作れない」とは言わせない
- できれば土地の候補を具体的に出す
- 現実的な予算を伝えて見込みがあるか判断してもらう
- 連絡方法や連絡時間をあらかじめ指定する
- 対応に不満がある住宅メーカーはきちんとお断りする
それぞれ詳しく見ていきましょう。

要望をたくさん書いて「間取りが作れない」とは言わせない
おかしな話ですが「タウンライフ家づくり」の申し込みフォームの内容だけでは間取りは書けません。
大切なのは「備考欄にこれでもかと要望をつめこむこと」でしたよね。
具体的に言うと備考欄には以下の3項目に分けて内容をびっしりと伝えましょう。
- LDKの具体的なイメージ
- 必要な部屋の数と用途
- 各部屋の広さのイメージ
- 各部屋での過ごし方
- デザインの要望
- 駐車場の数と車の種類
- 庭はどれくらい必要か、どう使うか

建物の要望
- LDKは対面キッチンでリビングに大きな窓が欲しいです。
- LDKの外にウッドデッキが欲しいです。
- LDKの一角に勉強やパソコンができるスペースが欲しいです。
- 4LDKが希望で、寝室と子供部屋を2つ、和室が必要です。
- LDKがメインで居室はそこまで大きくなくても良いです。
- 予算に合わせて上手く大きさをご判断ください。
- 子供部屋は間仕切りできるタイプが希望です。
- 寝室は2人分に仕切ったウォークインクロゼットが欲しいです。
- 和室はときどき両親が泊まりにくるときに使います。
- 2~3帖でもいいので扉付きの書斎が欲しいです。
- 収納は程よく多めに欲しいです。
- 玄関には土間収納が欲しいです。
- 内装はカフェみたいなイメージが好きです。
- 外観は耐久性の高い素材がいいです。
土地の要望
- ミニバン1台とコンパクトカー1台を止める駐車場が欲しいです。
- 庭は家庭菜園ができる程度に少しあればいいです。
この内容で6社中4社から間取り図がもらえました。
まだあまり具体的に決めていなくても、これくらいなら家族で少し相談すれば書けるはずです!
これにあわせて理想のライフスタイルなどを伝えるとより良い提案がもらえます。
(例:家族のコミュニケーションが増えるような家がいい・・・など)
できれば土地の候補を具体的に出す
建物の要望をしっかり書いてもの「具体的な土地がないと間取りは・・・」と言われる可能性もあります。
できる限り具体的な土地の候補をひとつ出して、そこに対して建てられるプランを書いてもらいましょう。
「今検討中の土地があるのですが、そこで家を建てる場合の間取りを描いて下さい」という感じですね。
その場合の土地の候補は、ネット上にある土地情報でも構いません。
具体的な土地があることによって、各メーカーの設計の特徴や見積もりの価格帯がわかってくるので、まだ検討中の土地がなくても仮で選んでおくといいです。
自分が住みたいエリアにある土地の中から、希望と予算に合いそうなものをひとまずは選べば大丈夫。
今回依頼した土地で建てなければいけないわけではないので、まずは叩き台として出せばいいのです。
土地情報の資料を添付するか、以下のようにどの土地かわかるように伝えましょう。
- サイト名:スーモ
- 物件名:○○市○○町
- 面積:○○㎡
- 金額:○○万円
- 仲介不動産会社:○○不動産
というような内容を伝えればわかるはずです。
もちろんその土地情報が載っているページのURLでも構いません。

現実的な予算を伝えて見込みがあるか判断してもらう
自分の予算に合わないプランをもらってもあまり参考になりません。
そこでなんとなくのイメージでも構わないので予算を伝えましょう。
自分たちの予算がまだはっきり分からない方は以下のような方法で予算を伝えても問題ありません。
- 「希望の総予算」という項目には年収の7倍くらいの金額を入れておく。
- 月々の支払い可能額を伝えて最適な予算を教えてもらう。
順番に意図を説明します。
「希望の総予算」という項目には年収の7倍くらいの金額を入れておく。
「年収の7倍」という数字が住宅ローンを借りられる最大値と一般的には言われています。
例えば年収600万円なら7倍の4,200万円までは住宅ローンの審査が通る可能性が高いということですね。
実際にいくらの住宅ローンを組むのかは後々に決めていくことになりますが、まずは最大値としてこの予算を伝えておきましょう。
頭金として使える貯金がたくさんある方は、その金額も足してください。
この計算で出てくる金額が、理論的に自分たちの最大予算です。
間取りや見積もりは希望する予算に合わせて作ってくれるはずなので、あきらかに小さい建物や安い郊外の土地を紹介される場合は予算があっていないということです。
もしもそういった住宅メーカーがあれば予算が合わないということなので、きっぱり選択肢から外しましょう。
そうすることで今後も効率よく進めることができます。
ちなみに初めから予算を厳しく設定しすぎると「どこにも相手にしてもらえない・・・」なんてこともありえます。
予算は具体的な話になってからでも相談できるので、まだ明確な予算がない方は年収の7倍で伝えておきましょう。
月々の支払い可能額を伝えて最適な予算を教えてもらう。
自分たちの家計をしっかりと把握して、将来設計もできている方の場合は「現実的に毎月支払える金額」を伝えるのもありです。
具体的には以下の2つを伝えれば、いくらの住宅ローンが組めるか教えてもらえます。
- 月々の支払い可能額
- ボーナス月の加算額
例えば、「毎月の支払いは10万円までで、ボーナス月には追加で20万円払えます」というような形で伝えてください。
その上で「頭金が○○万円あるので、それと合わせて現実的な予算で間取りを描いてもらえませんか?」と伝えれば現実的な予算の間取りがもらえます。
こちらの方法のほうが現実に近い予算になりますが、将来支払える金額というのは意外と決めるのが難しいです。
少し考えてみても決まらないようであれば前述の「年収の7倍」で伝えてしまっても大丈夫です。
どちらにせよ予算というのは打ち合わせを重ねながら決めていくものです。
今の時点では現実的に予算が合いそうか判断できれば十分。
予算はハウスメーカー・工務店側としても一番気になるところなので、よく分からないとしても分からないなりに条件を伝えることが大切です。
連絡方法や連絡時間をあらかじめ指定する
ここからはトラブルを防ぐための対策です。
詐欺をするようなハウスメーカーや工務店は候補に含まれていませんが、しつこい営業をしてくる会社くらいならいるかもしれません。
私が実際に申し込んだときはメールが少し来たくらいでしたし、口コミを見る限りではそこまで心配する必要はないですけどね。
やるべきことは2つだけです。
- 連絡方法を指定する
- 連絡時間を指定する
連絡方法を「連絡はメールのみにしてください」と備考欄に書けば基本的に電話はかかってきません。
また「電話は18時~21時の間のみにしてください」と時間指定すれば、その時間にしか連絡はきません。
注文住宅は最終的には信頼性の有無でも契約が決まるので、どの会社も指定されたことは守ります。
逆に指定がない場合は、営業が上司の指示で「電話にでてもらえるまで毎日電話しろ!」なんて言われている場合もあります。
(そういう会社は考えが古いので良い住宅メーカーかと言われると微妙です。)
自分にとって都合の良い連絡条件を必ず備考欄で伝えましょう。
ちなみに電話は一見面倒なことに思えますが、電話の対応ひとつで相手のハウスメーカー・工務店の対応力や誠実さがわかったりします。
そのため「電話不可」よりは「土日の18~21時」と言うようにストレスに感じない程度の限定条件付にしておく方がおすすめです。
実際に会うまでもなく電話で「信頼できない会社」とわかったら効率がいいですからね。
対応に不満がある住宅メーカーはきちんとお断りする
上の方でも少し触れましたが、「断り方」ってかなり重要です。
営業という仕事は基本的に「確実にダメだ」と分かるまではお客様を追いかけるのが仕事です。
「契約できる可能性が0になるまでは営業をかけろ」と上司が厳しく言う会社も意外とありますからね。
そのため「今はまだ具体的じゃないので・・・」などのような「やんわりとした断り方」だと伝わらなかったりします。
「この会社は好きじゃない」と感じたら勇気を出してきっぱりと断りましょう。
嘘だとしても「他のメーカーに決めました」くらいに伝えておいたほうが確実です。
その方が相手の営業も無意味に営業活動をしなくても済むので、その人のためにもなります。
実際に申し込みをした結果
それでは実際に申し込みをした結果についても書いていきたいと思います。
実際に体験した利用者の口コミとしてよければ参考にしてみてください。
最初に書きましたが6社中4社から提案(間取りと見積もり)をもらえましたよ!
迷惑メールや電話など特に困るようなこともありませんでした。
前提条件の確認、申し込み時にしたこと
まずは私がどんな条件で申し込みをしたのかをご覧ください。
- 備考欄にびっしりと要望を書いた(500文字くらい)
- 土地はネット上で売りに出されているものを指定
- 基本的に連絡はメールを希望、電話する場合の時間と曜日を指定
- 建物予算2,500万円、30坪程度の建物を希望
- 申し込み時に表示された6社すべてに依頼

- 「間取りが描けない」と言わせないらい要望を書く
- 「土地がないと提案でいない」と言わせないように土地を指定
- 「自分の予算に合ったメーカー」にアプローチしてもらうために予算を明確にする
- 電話対応に苦労したくないので対応策を取る
「ここまでやれば、きちんと対応してもらえるだろう」と思えるまで作戦を立てて申し込みました。
ちなみにこれくらいの予算と要望なら恐らくどこの住宅メーカーにも相手にはしてもらるはずです。
申し込み後の各メーカーからの対応
続いて提案書(間取り図と見積もり)がもらえるまでの流れをまとめていきます。
S社 | 依頼した2日後に提案書とカタログが届く。 |
M社 | 翌日に駐車場の配置など要望をメールで聞かれる。その1週間後にメールで提案書が届く。 |
A社 | 2日後にカタログだけ送られてきて「要望を詳しくモデルハウスで聞かせてください」とのメモが。提案書はもらえず。 |
T社 | 8日後に提案書とカタログが届く。 |
I社 | 2日後にカタログが届く。同時にメールでいくつかの質問をされる。メールを返信後5日で提案書が届く。 |
T2社 | 一切連絡なし(ちなみに対応が悪いと評判のローコストメーカー) |

- M社はしっかり提案しようとする意思があるまじめな営業さんだなという印象。メールの返信も丁寧。
- A社は「タウンライフ家づくり」をモデルハウスに呼ぶ口実としか思っていなさそう。
- T2社は論外。
- それ以外はこちらが興味をもって連絡をしたら本格的に対応してくる方針の模様。
このように実際に会わなくてもハウスメーカーや工務店の良し悪しが見えてくるのはいいですね。
依頼した住宅メーカーからの営業について
続いてメールや電話など、どれくらいアプローチがあったかをまとめます。
直接的な連絡 | |
S社 | 郵送で提案書が来たのみ。 |
M社 | 提案書をもらった後に「感想が聞きたい」とのメールが届く。返信後、モデルハウスに誘われたものの、それ以上の連絡はなし。 |
A社 | 郵送でカタログが来たのみ。 |
T社 | 提案書をもらった後に「ぜひモデルハウスにも」とのメールが届く。 |
I社 | 提案書とともに「ぜひモデルハウスに」というチラシが届く。メールや電話はなし。 |
T2社 | そもそも1回も連絡なし。 |
特に強引な営業はなかったですね。
どこもこちらからアプローチしない限りは本格的に営業してくることはなさそうです。
DMやメールマガジンなどの定期的な連絡 | |
S社 | 特になし |
M社 | 月に1回程度メールが届く |
A社 | 週1回メールが届く |
T社 | 特になし |
I社 | 月に1~2回メールが届く |
T2社 | 特になし |
まだ申し込みをしてから2ヶ月くらいしか経っていないので断定できませんが、予想以上にDMやメルマガは少ないですね。
どこの会社も毎月のように送ってくるものと思っていましたが意外です。
ただ会社によっては月1くらいではメールやDMがくる可能性はあるので、その覚悟はしておくといいかもしれません。
それが不快に感じるようなら「もう送ってこないでください。」とメールや電話で連絡すれば来なくなりますよ。
提案された間取り図や見積もりのクオリティ
間取り図や見積もりが本当にもらえるとしても、参考程度の雑なものでは意味ないですよね?
どれくらいのクオリティのものだったのか所感をまとめて置きます。

ちなみにこれが実際にもらった資料です。

S社 | 要望が一部抜けていて思っていたのとは違う間取りが来た。しかし間取りは手書きで綺麗に書いてあり基本的には良い提案書だった。WEB申し込みなので多少の見落としは仕方ないかなというところ。見積もりは細部まで書いてあり丁寧。 |
M社 | 2プランと手書きのメモ付き。3Dの概観イメージやそれに似た施工事例の写真も付属。プランも要望どおりでレベルが高かった。見積もりも丁寧。事前に何度もメールがあっただけあり誠実でまじめに対応してくれている感じがする。 |
T社 | 手書きのメモ付きの間取り図。3Dの概観イメージ付き。ただし見積もりは少し安く見せているので若干のマイナスイメージ |
I社 | 一度メールで質問をされただけありイメージに近い間取り。見積もりも丁寧。 |
正直、無料でここまでのクオリティの間取りを作れるのはすごいなと感じました。
(私の勤めている工務店の場合は、まだ見込みがあるかもわからないお客様にここまでの時間は使えません。)
見積もりも誤魔化していない会社が多く、本当に誠実に対応してくれているんだなというのが正直な感想です。
この4社ならもっと具体的に検討してもいいなと素直に思えました。
必ずしも要望とぴったりとはいきませんが、ここから詳しく打ち合わせをして内容をつめていくので、最初の提案としてはばっちりです。
利用してみた感想
一番感じたのは「自分のために間取りを書いてもらう」っていうのはやっぱりうれしいですね。
私は工務店で働いているので毎日のように間取りを見ていますが、今回間取りをもらったときは思ってた以上に感激しました。
間取りを見ながら、どんな家が完成してどんな暮らしができるかを想像するとやはり楽しいです。
事前に対策していた効果もありますが、予想以上に営業が少なかったのでストレスはありませんでした。
6社中4社からしか提案書(間取りと見積もり)はもらえなかったですが、6社から来たとしても実際に今後関わるのは3社くらいに絞ると思うので結果論ですがちょうど良かったかもしれませんね。
実際に調査&体験してみて分かったメリットとデメリット
最後に「タウンライフ家づくり」のメリットとデメリットをまとめていきます。
事前の調査と口コミを参考にしつつ、自分の体験談も踏まえて思ったことです。
「タウンライフ家づくり」を利用するメリット
まずはメリットからです。
もちろん一番のメリットは「間取り図と見積もりが簡単にもらえる」ということですよね。
でも実際に体験してみるともっと大きなメリットが見えてきました。
「最初から間取り図と見積もりをもった状態で家づくりをスタートできる」ということです。
もう少し具体的に言えば以下の5つのメリットがあります。
- 知識やノウハウを学ぶスピードが格段にあがる
- 現実的な予算感覚が身につく
- ハウスメーカーを見極める感覚が身につく
- モデルハウスで教育されないで済む
- 自分の要望がハッキリしてくる
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
知識やノウハウを学ぶスピードが格段にあがる
家づくりを始めたばかりだと、知識やノウハウを調べても全然頭に入らないことってないですか?
それは「イメージがわかないから」というのが主な原因なんですよね。
そんなときに間取り図や見積もりがあれば具体的にそれと見比べて学ぶことができます。
例えば「坪単価は参考にならない、実際は地盤改良や付帯工事があるから」というような知識は、見積もりでその項目を見たほうが絶対に頭に入ってきます。
英語を覚えるなら教科書だけよりも外国人の友達と交流しながら教科書で勉強したほうが絶対に身につきますよね?
そんなイメージです。
現実的な予算感覚が身につく
これも上の内容と似ているのですが、実際の見積もりをもらうことで予算感覚が身につきます。
ネット上には坪単価などアバウトな価格帯しか乗っていないですからね。
見積書を見ることで「付帯工事」、「地盤改良」といった後々で必要になる費用のことも知ることができます。
言葉にするのは難しいですが、「これくらいのクラスの住宅メーカーならこれくらいの金額だろうな」っていう予算感みたいなものが早く身につくはずです。
また自分の希望や予算にあった間取り図と見積もり書をもらうことができるので、自分たちにとって現実的な建物がどんなものかを明確に知ることができます。
予算が合わない会社について調べたり、何度も通ったりするのは時間の無駄ですからね。
現実的な予算感を手に入れて、自分の予算にあった住宅メーカーを中心に探していきましょう。
ハウスメーカーを見極める感覚が身につく
少し上にある私が申し込みをしたときの結果と感想を見ていただくと分かると思いますが。
タウンライフ家づくりを利用するとハウスメーカーや工務店に会いに行かなくてもかなりの情報が得られます。
特に以下の5つの項目がわかるのは大きいはず。
- メールや電話の対応は誠実か
- カタログの内容や建物のイメージは自分の好みにあっているか
- 自分のイメージしている建物が予算内に建てられそうか
- 見積もりにごまかしはないか
- 営業担当との相性はよさそうか
これは「ネット申し込みで間取りや見積もりを作ってもらう」というタウンライフだからこそできるメリットです。
カタログ請求のサービスはスーモなど他にもありますが、カタログを送ってもらうだけでは①、②までしかわかりません。
そして複数の住宅メーカーを比べることで今後他のメーカーを調べるときも少しの情報から良し悪しが判断できるようになるはずです。
実際に経験することで掴める感覚ってありますからね。
自分がどういったメーカーを求めているかがわかってくると、今後検討するメーカーが少なくなり、時間の節約にもなります
モデルハウスで教育されないで済む
表現の仕方が難しいですが、多くの住宅メーカーはお客様を「教育」します。
「自社を選ぶメリット」と「他社を選ぶリスク」をモデルハウスで作りこまれた資料と共に説明されます。
モデルハウスや工場見学は「ファン」になってもらうための作戦がたくさん用意されているものなんです。
そうすると1社だけを見てそのまま契約してしまう人も意外と多いんですよね。
中には本当に返済できるかわからないくらいの高額なローンを組んで、予算の合わない高額なハウスメーカーで無理して契約する方もいます。
そしてそれで支払いができずに売却する人も少なからずいます。
いきなりモデルハウスにいくのではなく「タウンライフ」をはじめとしたネット資料請求のサービスを利用して、ある程度の感覚をつかんでおくことがおすすめです。
自分の要望がハッキリしてくる
実は本格的に間取りの打ち合わせを始めるまで、自分の要望がはっきりわからないという方がほとんどです。
当たり前のはなしで、どんな建物がいくらで建てられるか、自分の要望を叶えるとどんな間取りになるか。
それさえわからない状態で要望をまとめるのが無理なのは当然ですよね。
「自分のために作られた間取りや見積もり」という結果をみることで、はじめて自分たちにとって本当の理想が見えてきます。
タウンライフを利用するときの デメリット
デメリットというよりは注意点かもしれませんが、知っておいていただきたいことをまとめておきます。
正直3分ではおわらない
タウンライフのHPには「3分でお申し込み」と書いてありますが、3分でかける内容で申し込みをしたら恐らく提案書はほとんどもらえません。
要望がある程度まとまっている方で20~30分。
まだまとまっていない方は家族会議も必要なのでそれなりには時間がかかります。
それでもタウンライフを利用すればかなり効率的に家づくりを進められることを考えると、少し大変ですが取り組む価値はあると思います。
連絡への対応など多少手間がかかる
提案書の感想を聞かれたり、要望について質問されたりと多少の連絡対応などは必要なので手間がないわけではありません。
実際にモデルハウスにいって打ち合わせをして間取りをもらうよりは遥かに楽ですけどね。
定期的にメールがくるかも
ポストにダイレクトメールが届いたり、イベント案内のメールが届いたりすることもあると思います。
「迷惑メールがきた!」という口コミをしている方もいたので、最初に知っておかないと騙された気にもなりますよね。
でも受信拒否やお断りのメールをすれば解決する話なので、事前にわかっていたら気にするほどのことでもないかなと思います。
なかには最新の土地情報や家づくりのノウハウなど有益な情報をくれるところもありますしね。
デメリットというよりは必要コスト?
ここまでの内容をまとめるとデメリットというよりは必要コスト(労力)と考えるといいかもしれません。
「お手軽、簡単に間取り図や見積もりがもらえる」なんていう上手い話ではないということですね。
そもそも変に上手い話ではないからこそ信用できるんですけどね。
「たくさん要望を書いて少し連絡をとりあって、その情報をもとに間取りを書いてもらう」
これってすごくまともなサービスです。
忙しくて何からはじめたらいいかわからない人にこそ試してほしい
「まだ探し始めで、なにからはじめたらいいかわからない」そんな方にこそおすすめできるサービスだと思います。
最近は共働きや子育てなど、なかなかモデルハウスなどに行く時間もないという方が多いです。
そんなときに参考程度の間取り図と見積もりでもあったら家づくりは大きく進みます。
なにより私自身がそうだったのですが、間取り図をもらって少し理想が形になっただけで、すごくやる気がでるんですよね。
自由設計で家を建てるのはやることも多いので、忙しい方には本当に大変です。
だからこそ間取りっていう家づくりで一番楽しい部分からはじめるのは良い手だなと思います。
時間のある方は毎週のようにゆっくりモデルハウスを回ってもいいんです。
でも忙しいくてなかなか時間がない・・・という方にはこういったサービスを賢く利用してもらうのはおすすめですよ。